【講演採録】スマホ1台で世界を歩く――フリーランスとして見た可能性と壁

 フリージャーナリストの可能性と限界、壁を越える「水平的協業」ーー。4月10日に開かれた国際文化会館ジャーナリズム大賞「ネットメディア・フリージャーナリスト昼食会」での表題の基調講演を採録しました。6年間の歩みと現在地、今後をお伝えします。応援してくださっているサポートメンバー限定ですが、メディアに関心のある学生の方には無料で全文お送りします。info@murayamayusuke.comまで。
村山祐介 2026.04.12
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はじめに

 ジャーナリストの村山祐介と申します。私はマスメディア、新聞社で19年記者をして、退社して独立し、フリーランスとして6年間取材活動をしています。マスメディアとフリーの両方を経験した立場から、本来であれば「こうやったらうまくいく」という成功モデルをお話しできると一番いいのですけれども、残念ながら私自身、試行錯誤の真っ只中にありまして、日々もがいているというのが実情です。今日は試行錯誤の中で、成功したこと、失敗したこと、可能性を感じること、限界を感じることをありのままお話しさせていただきたいと思います。

 ということで、いったん期待値を下げさせていただいた上で中身に入りたいと思います。

国際文化会館提供

国際文化会館提供

「移民」から「避難民」へ

 簡単に自己紹介をさせていただきます。今54歳で、「クロスボーダー」をテーマにヒト・モノ・カネ・情報など、国境を越える動きを追っています。移民・難民が国境を越える理由を探りに、その源流に入っていく。そこに紛争があったり、格差や貧困があったりするわけです。私自身、「移民」として住んでいるドバイから今回、「避難民」として家族で日本に逃れてきています。先日子どもの卒業試験がキャンセルになってしまいまして、昨日もどうしようかと話し合ったところです。まさに当事者になっているという状況です。

 大学を卒業して、最初にいったん商社に入りまして、その後は朝日新聞社に入社して、ワシントン特派員、ドバイ特派員、そして日曜版GLOBEの編集部員、最後は経済部デスクで退社してフリーになりました。国境を越える取材計画をいろいろ考えていたのに、フリーになった1週間後にコロナの緊急事態宣言が出て、「県境も越えるな」という状況になりまして、挙句の果てに足首を骨折してしまい、全治3ヶ月。部屋の境を越えるのも難儀するという、全く先が見えない状況から始まりました。

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