「通行料だよ」——わいろと権威主義、赤い塵の三重苦にあえぐ@ギニア

2夜連続野宿でたどりついたアフリカ横断2カ国目・ギニア。再三のわいろ要求に悩まされ、肝心の取材許可はまさかの理由で棚上げにーー。旅ブログ第2回は、赤い塵にまみれて七転八倒したギニア滞在からシエラレオネへの脱出までをお伝えします。
村山祐介 2026.07.01
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「3週間、いません」

 セネガルからギニアへ、2夜連続野宿の乗り合いワゴンの国境越えは、やはり50代の体には堪えました。首都コナクリで2日間ぐったりして過ごし、やっと気力が戻った6月8日、フィクサー(通訳兼コーディネーター)を頼んだ地元ジャーナリストと一緒にメディア当局を訪ねると、耳を疑う返答が返ってきました。

 「ボーキサイトは機微なテーマのため取材許可は委員長決裁です。でも、国外にいるので戻るまで許可は出せません」

 「いつ戻るのですか」

 「3週間後です」

 「……(絶句)」

ボーキサイトと鉄鉱石の巨大開発を巡り関係を強める中国とギニア。街中には友好をうたう看板が掲げられていた=コナクリ(写真はすべて村山祐介撮影)

ボーキサイトと鉄鉱石の巨大開発を巡り関係を強める中国とギニア。街中には友好をうたう看板が掲げられていた=コナクリ(写真はすべて村山祐介撮影)

 2月から折衝していて前向きな感触を伝えられていたのに、何をいまさらーー。はらわたが煮えくり返りましたが、25年末の選挙で形式上は民政移管したとはいえ、21年の軍事クーデターに端を発する権威主義体制下の国です。幹線道路には検問が連なり、街中も兵士や警官の姿が目立つ。メディアへの締め付けも強く、乗り合いの運転手には何度も「ギニアに入ったら写真を撮るな」とくぎを刺され、路上でもスマホを横に構えただけで住民に難癖をつけられるなど、ピリピリした空気が漂っていました。別の元コーディネーターの知人にも相談しましたが打開策は見当たらず、頭を抱えました。

中国国旗があふれる採掘地帯

 ボーキサイトが「機微」にあたるのは、国家運営を左右する重要資源のためです。

 ボーキサイトはEVや航空機、再エネ設備の軽量化に不可欠なアルミニウムの原料で、脱炭素需要が拡大しています。ギニアは世界最大の埋蔵量を誇り、中国の巨額投資で開発が進み、23年には輸出量でも世界最大になりました。ロイター通信によると、ギニア産ボーキサイトの約7割が中国に向かい、中国のボーキサイト輸入の約7割をギニアが占めるという一蓮托生の関係で、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の参加国でもあります。野宿明けのワゴン車で通った採掘地の西部ボケ地方は、中国国旗にあふれ、ボーキサイト運搬用の道路や鉄道が整備されていました。

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続きは、2328文字あります。
  • 赤い塵に染められ広がる格差
  • 越境フェリーでわいろ要求3連発
  • 「自由」なフリータウン
  • 「血のダイヤ」の内戦、母の悲嘆

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