「通行料だよ」——わいろと権威主義、赤い塵の三重苦にあえぐ@ギニア
「3週間、いません」
セネガルからギニアへ、2夜連続野宿の乗り合いワゴンの国境越えは、やはり50代の体には堪えました。首都コナクリで2日間ぐったりして過ごし、やっと気力が戻った6月8日、フィクサー(通訳兼コーディネーター)を頼んだ地元ジャーナリストと一緒にメディア当局を訪ねると、耳を疑う返答が返ってきました。
「ボーキサイトは機微なテーマのため取材許可は委員長決裁です。でも、国外にいるので戻るまで許可は出せません」
「いつ戻るのですか」
「3週間後です」
「……(絶句)」

ボーキサイトと鉄鉱石の巨大開発を巡り関係を強める中国とギニア。街中には友好をうたう看板が掲げられていた=コナクリ(写真はすべて村山祐介撮影)
2月から折衝していて前向きな感触を伝えられていたのに、何をいまさらーー。はらわたが煮えくり返りましたが、25年末の選挙で形式上は民政移管したとはいえ、21年の軍事クーデターに端を発する権威主義体制下の国です。幹線道路には検問が連なり、街中も兵士や警官の姿が目立つ。メディアへの締め付けも強く、乗り合いの運転手には何度も「ギニアに入ったら写真を撮るな」とくぎを刺され、路上でもスマホを横に構えただけで住民に難癖をつけられるなど、ピリピリした空気が漂っていました。別の元コーディネーターの知人にも相談しましたが打開策は見当たらず、頭を抱えました。
中国国旗があふれる採掘地帯
ボーキサイトが「機微」にあたるのは、国家運営を左右する重要資源のためです。

ボーキサイトはEVや航空機、再エネ設備の軽量化に不可欠なアルミニウムの原料で、脱炭素需要が拡大しています。ギニアは世界最大の埋蔵量を誇り、中国の巨額投資で開発が進み、23年には輸出量でも世界最大になりました。ロイター通信によると、ギニア産ボーキサイトの約7割が中国に向かい、中国のボーキサイト輸入の約7割をギニアが占めるという一蓮托生の関係で、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の参加国でもあります。野宿明けのワゴン車で通った採掘地の西部ボケ地方は、中国国旗にあふれ、ボーキサイト運搬用の道路や鉄道が整備されていました。
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