物乞いから実業家へ、採掘跡を農地へーー内戦から四半世紀、シエラレオネの再生の物語

「紛争ダイヤ」を資金源とする激しい内戦を経験した西アフリカの最貧国シエラレオネ。いまなお残る傷跡と貧困から、立ち上がろうとする人たちに出会いました。物乞いから起業家になった女性。「死のわな」だった採掘跡を実りの大地へ。二つの再生の物語をお届けします。(文中敬称略)
村山祐介 2026.09.15
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首都フリータウンから真新しい幹線道路を車で約6時間。東部コイドは1991年から約11年に及んだ内戦中、反政府勢力の支配下で「紛争ダイヤ」が掘り出されてきた中心地だ。

筆者の移動ルート

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町に近づくと、家より高い緑の台地が見えてきた。

ダイヤ採掘後の土砂でできた山=2026年6月15日、シエラレオネ東部コイド(写真はすべて村山祐介撮影)

ダイヤ採掘後の土砂でできた山=2026年6月15日、シエラレオネ東部コイド(写真はすべて村山祐介撮影)

「採掘の土砂でできた人工の山です」と地元ジャーナリスト。沿道にも、直径数メートルから十数メートルの採掘跡の池があちこちに点在している。こんな近くでダイヤが見つかるのかと驚くと同時に、土地が穴だらけになっていることが気になった。

幹線沿いにあるダイヤ採掘後に放置された池=2026年6月17日、東部コイド郊外(写真はすべて村山祐介撮影)

幹線沿いにあるダイヤ採掘後に放置された池=2026年6月17日、東部コイド郊外(写真はすべて村山祐介撮影)

生きるために路上で物乞い

農村を支援する地元NGO・SENDシエラレオネに同行し、近郊のカマドゥ村にある「ポリオキャンプ」と呼ばれる集落を訪ねた。幼いころにポリオ(小児まひ)に感染し、後遺症のある人たちが暮らしている。

手こぎ三輪車を巧みに操り、きびきびと動く女性に目を奪われた。ハワ・マラー(33)。数珠のように編み込んだ金髪が印象的で、ヘアドレッサーをしているという。

「それで華やかな髪形をしているのですね」

そう声をかけると、金髪をなでながら照れ笑いを浮かべた。

実業家になったハワ・マラーさん=2026年6月15日、東部カマドゥ村

実業家になったハワ・マラーさん=2026年6月15日、東部カマドゥ村

マラーは幼かった内戦中にポリオに感染し、歩くことができなくなった。母が急逝すると、学費を払えなくなって高校を中退した。

「何の技能もなく、教育もありません。どうしていいのかわかりませんでした」

生きるため、路上で物乞いを始めた。

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続きは、2298文字あります。
  • 3つの事業で自立、「人生に尊厳」
  • 「死のわな」から実りの大地へ

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